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イベントレポート 5月16日

  • Tsubasa
  • 2020年5月20日
  • 読了時間: 8分

更新日:2020年5月21日

『現役教師が教える‼️いまと未来をつなぐ 最新現代社会』

vol.3「学ぶことと教えること」「学校の意味と教師の意義」



この期間、学校も休校となり、学校の意義、学ぶ意義、教師の意義を問い直すこととなったのではないでしょうか。

今回のEDUCAFEも講師のYuさんが素晴らしい講義を準備してくださり、学校の現状やこれまでの教育を振り返り、「教育がどうあるべきか」、「教師はどうあるべきかということ」を再度考え直し、学ぶ目的や教育の目的について学ぶようになりました。


講義(前半)

こちらスヌーピーの名言です。

他人と比較することなく、「自分らしさ」「自分にできること」をみなで考えていきたいという話からスタートしました。


学校の現状

休校への対応として、

公立の小中学校:学校で課題を配布しているところが多い。

私立中学・公立私立高校:オンラインでの課題配布、HR、面談、授業などを実施しているところが多い。

公立と私立、校種によって様々である。

オンライン授業の光と闇

もともとはオンライン授業は学校教育法で禁止されていたが、今はやらざるを得ない状況になっている。

オンライン教育のメリット・デメリット(NewsPicksでの討論より)

メリット:エリート層は救われる。非常時に強い。一人一人に合った教育

デメリット:小学校低学年、低学力層は救われない。ぬくもりがない。成績がつけにくい。

単線型と複線型

日本では、国民皆が同じものを同じように生産できるように、単線型の教育を作り、教育の機会均等を実現した。

単線型の教育は今や非難の対象だが、それは、戦後の高度経済成長に大きく貢献したと言われている。

ただこれは今までの話。社会の変化に応じて、教育も変化しなければならない。

文科省が掲げている学校教育で養う力

→学びに向かう力、人間性の涵養、生きて働く知識・技能の習得、思考力、判断力、表現力の育成

「主体的な学び、対話的な学び、深い学び」

「アクティブラーニング・探求型学習」

ここには、「何を学び、どのように学ぶか」は提示されているが、、、

「なぜ学び、なぜ教えるのか」が欠けている。

ただ、それは一色淡に決められないからこそ、教師一人一人が考えなければならないこと。

ここで福沢諭吉からの提言を。

私たち一人一人にまた子供たちにこのような気概が少しでもあるだろうか。


ここで、1回目のグループディスカッションの時間に入りました。


講義(後半)

(外山滋比古「思考の整理学」・大村はま「教えるということ」より)

グライダー人間と飛行機人間

グライダー人間・・・言われたとおりどこまでもついていく従順な人

飛行機人間・・・自分でものごとを発見、発明する創造的な人

学校では従順さが尊重されるから、グライダー人間ばかり作られる。

創造的な存在である子供が、学校で知識を与えられるにつれて、散文的になり、人まねがうまくなる。飛行機人間はつくられない。

新しい文化の創造には飛行機人間を作る必要がある。

学校と社会が変わらなければならない。

そして、今は創造力以前に文章を読む力が重要視されている。

小学校は子供の学校、中学校は大人になる学校

大人になるということは、自分のことは自分ですること。

数学的思考力といっても、(当時の教育では)与えられた問題の枠組みでの思考力にすぎない。

その枠を超える創造性を養うのは難しい。

→今の学校教育もそのような枠組みの中にあるといえる。

「なぜ」という問いを一人一人が持たないといけない。

花のことだけではなく、根のことを考えるべき。

日本人は欧米のきれいな花ばかりをとってきた。根の部分は変えようとしなかった。

教師は「いい人」なだけではダメ。教師は「教える」職業だ

子供が好き、遊ぶのが好きというだけで教師になると、結局、それができなくなったときに、なんのために教師をしているのか、芯がぐらつく。

教師は教えるということについて、優れた能力を持っていなければならない。

教師としての根の部分を持たなければならない。

真の愛情とは

一人の人間として育て上げること。その力を鍛えること=真の愛情

教育の目的とは

人格の完成を目指す。人格の完成の根の部分を育てる。

教育は政治より優位でなければならない。社会の在り方まで判断できる人を育てるのが教育の力。表面上で終わってはいけない。

人格の完成=個人の倫理化

「自己の存在を真実に善いもの」として、自己を「完成へと向けて、更に愛すること」

存在を認めてあげて、愛してあげて、自分自身が「この世に必要な存在」「自分にできることがある」と考えさせてあげること。

教育の目的が分かったならば、この時に自分ができることが見つかるはず。

オンラインが難しくてできなくても、電話で子供に働きかけるベテラン教師の姿。

やろうと思えば、できる。ただ、その行動の根本に愛情がないといけない。

Yu先生の恩師の言葉



自分がしたいことではなく、相手が何を願っているのかをわかってそれをしてあげること

そして、2回目のグループディスカッションに入りました。


感想共有

「今回、恩師について考えたが、私は自分自身の人格が形成されてきたことを今回の講義で自覚して、「誰のおかげなんだろう」と考えたときに、身の回りの仲間からいい刺激をもらっていると思った。仮に自分が教師や人に何かを教えることになった時に、上から教える人だけではなく、同じ目線で同じことに興味を持っている仲間として一緒に話し合えたらいいなと感じた。」

(東京 高校2年生)

「今回は教育の目的ということで、人格の形成のために学ぶということが衝撃というか、発見だった。確かにこの世の中に生まれてきたからには、何か還元したいと思って学んでいる。しかし、この世のためとはいっても、結局は自分を愛するために学んでいるんだなということを気づかされた。本当に学びが多くて、充実した時間でした。」

(愛知 高校2年生)

「今回の話を聞いて、教育というところでは「グライダー人間」と「飛行機人間」というところが印象に残っていて、学校ではグライダー人間しかできないというのは確かにそうかもと思って、もっと学校で飛行機人間を育てるようにするということも大切だし、生徒自ら学んで、自分が飛行機人間になれるようにするということが大切だと思った。最後の「本当の愛」「恩師」という方が難しかった。自分としては、「自分は他者によって形成されている」というように、家族であったり、友人であったり、自分に関わってくれた人たちが自分のことを形成されていると思うので、自分も他人に影響を与え、他人の自己形成をできるような人間にならなければならないと思った。」

(東京 中学3年生)

「今回「意義」という言葉が印象に残った。学ぶことの意義ということに関しては、今は「受験のため」「進路のため」となってしまっているが、大きく見て、なぜ社会や大学が「学ぶこと」を求めているのかっているのを考えたら、ある程度の知識を持っていないと、社会が平和にならないと思うし、今この日本で平和に暮らせるのは、皆が義務教育で必要な知識を付けているからだと思う。そして、自分のためというところを考えると、学ぶことで自分の将来の道が広がるし、選択肢が多くなってくる。グループの中で、「話す内容がなければ、英語を学んでも意味がない」というのが、印象に残った。自分も受験科目の勉強に対して、なぜ学ばなければならないのかと疑問に思うこともあったが、人生を大きく見たときに必要になるものだとわかった。「好きだけで職業にしないということ」も印象に残った。目的ももっと意識した方がいいということも学んだ。」

(栃木 高校3年生)


「今、教師を目指しているが、自粛期間で学校に行けなくて、教育の授業を受講できていないが、今回このような機会を設けていただいてっとても嬉しい。テーマに対する一人一人の考え方が違って、面白かった。正解はないと思うので、これからも勉強して、自分なりの答えを見つけられたらいいなと思う。」

(山梨 大学2年生)

代表挨拶(Yu)

「今回いろいろな話をしたが、それぞれヒットポイントが違ったが、それは一人一人抱えている問題や悩みが違うからなんだなと思いました。今回、「人格の完成が目的だ」といって、最後「本当の愛とは」という話をしたが、「自分はどう生きていきたいのか」「なぜ生きるのか」とか、根本的な問いは持っていて、時期はそれぞれ違うがみんあがぶつかる問いだと思うので、ぜひ皆さんに考えって言ってほしいなと思います。自分が教師になるうえで不安だったのは、その部分だった。子供に「自分は何のために生きてるの」と聞かれたときに自分が実感して自信をもって答えられないと、子供たちは不安だろうなと思った。だからこそ、学生の時に自分と向き合うようになった。

そういう中で恩師に出会ったから、今があります。なので、まずは皆さんが「生きててよかった」と思えるように、様々な方法でできる限りの愛を伝えていきたいなと思っています。今回はみなさんありがとうございました。」



今回、全国各地から70名の方々が参加してくださいました!

生徒の立場、教員の立場、また一人ひとり様々な立場から、「教育の本質」や「自分」について深く考える時間となりました。

全部で3回シリーズでしたが、総勢200人の人が参加されました!!

参加してくださり、一緒にEDUCAFEを盛り上げてくださったみなさん本当にありがとうございました。

これからも様々な企画、活動をしていきたいと考えておりますので、皆様、引き続きよろしくお願い致します!


(文責:Tsubasa)



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