5月9日 イベントレポート
- Tsubasa
- 2020年5月14日
- 読了時間: 5分
『現役教師が教える‼️いまと未来をつなぐ 最新現代社会』
vol.2 「グローバリズムとポピュリズム」「利己主義と利他主義」
コロナウィルスによって、全世界が混乱の渦の中にいる今、感染症の流行の原因や、それに対する各国の対応に関して、物議をかもしているのが現状ではないでしょうか。
今回のEDUCAFEでは、Yuさんの講義、またその講義をもとにしたグループディスカッションを通して、どんな思想がその背景にあるのか、また私たちは今、何を考え、何を行っていくべきなのかを参加者全員で考えました。
講義(前半)
未来は、あなたが予知するものではなく、自分で可能にするものだ。
By サンデグジュペリ

というオープニングメッセージで講義が始まり、自分が未来を左右するという意識をもって、学んでいくこととなりました。
グローバリズムと感染症
14世紀のペストの流行 中国からシルクロード
16世紀の天然痘 大航海時代スペインからアメリカへ
(中国から日本へ)
1918年のインフルエンザ アメリカ→ヨーロッパ全土
グローバル化の初期段階ともいえる、貿易や植民地化の動きによって、感染症は国をまたいで広がるようになっていきました。
ポピュリズムの台頭
グローバル化によって人類は全体として豊かになることができました。しかし、大きな恩恵の裏で、世界的な経済格差、また各国内での経済格差などの問題も浮き彫りになるようになりました。
そのような中で、グローバル化で富を得たエリート層を敵とした自国ファーストを唱え、大衆を扇動して支持を得るというポピュリズムの動きが出てくるようになりました。
例 反グローバリズムで自国第一主義を唱えたトランプ大統領
「世界を一つにしよう」という良い面をもつグローバリズムの何が問題だったのでしょうか。
ここで、zoomのブレークアウトセッションの機能を使い、1回目のグループディスカッション(3~4人)を行いました。

講義(後半)
Think and Live Positive
By ジャック・アタリ

というメッセージから再開し、他者のために生きるという人間の本質、そして、利己主義と利他主義から、自分自身について考えていく時間となりました。
利己主義と利他主義
利他主義は合理的利己主義である。つまり、他の人のために生きるとは最も理にかなった自己中心的な行動であるということ。
例 自分が感染症にかからないためには、他の人が感染しなければいい。
高額な車を売って利益を出すためには、相手が経済的に潤っていればいい。
楽観主義とポジティブ
楽観は、観客として、そのものごとを良くなるだろうと考えることであり、
ポジティブは、自らが参加して、良くなる方法を考えることであるとし、
ジャック・アタリさんが推奨するのが、”ポジティブ経済”です。
自分が生き残るために必要な産業を考え、命の産業に重点を置き、そこに投資していく経済のことです。
自分自身になること
まずは、自分を唯一無二のつかの間の存在であると認めること。
そして、他のものを全部自分自身と考えることが大切だとアタリさんはおっしゃっています。
自分の幸福は世の中の在り方と行方に依存しており、世界が幸せなら、自分が幸せ、
自分が幸せでありたいと思うなら、世界を幸せにすることを考えるのだと。
協力は競争よりも価値があり、人類は一つだということを理解すべきだ。
集団の変化は個人の内面からであり、自分自身に働き掛けることが世界に行動を移すことだと、グローバル化部分にも触れつつまとめてくださいました。

さあ、みなさんはどんな「自分自身」になりたいでしょうか。
ここで、2回目のグループディスカッション(1度目と同じグループ)に入りました。

感想発表
「自分の芯、自分の考えをしっかりもつことが大切だと思った。自分に関わる全ての人から学び、ほかの人のことを考えていきたい。」
(沖縄県 高校3年生)
「学校は利他主義を習得できるところだと思った。感謝することをすれば、信頼されるようになる。相手への思いやりによって、自分に返ってくることを実感できる場所だと思う。」
(東京都 高校1年生)
「人に感謝することの大切さを感じた。感謝することで他人も自分も成長することができると思った。」
(東京都 高校2年生)
「大学受験の時は点数のために勉強するから、こういった状況で時間が与えられるとどうすればいいのかわからなくなる。でも、利他主義が自分の行動の先にあると考えたときに、自分のための勉強が他の人のためになるということがわかると、自分のための勉強も無駄じゃないと思える。勉強する前にそういうことを知って勉強できたら良いと思った。」
(東京都 大学1年生)
「自分が目標をもって何かをしたいと思っているなら、自分からやらないといけないと思った。環境づくりなど。いいことを言うのは誰でもできるけど、それを実行できなかったのは、やらない自分がいたから。自分から環境を変えていくということが大きなことにつながると思う。利他主義が利己主義になるというのがとても納得できた。」
(大阪府 中学1年生)
代表挨拶(Yu)
EDUCAFEは現役教師のみんなで集まって作っています。参加してくれた中高生からすると、自分の学校以外の先生と話す機会が新鮮だと思いますし、教師からすると自分の学校の生徒には言えないような学校の事情、教師の事情を話せる機会になったと思います。このように、生徒と教師が互いに分かり合える場所になったのがよかったと思います。
みなさんから素晴らしい意見が聞けて良かったです。ありがとうございました。

このようにして、5月第2弾のEDUCAFEを無事終えることができました。
参加してくださった皆様、関心をもって応援してくださった皆様、スタッフ一同心より感謝申し上げます。
これからもEDUCAFEを皆さんと一緒に作っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
(文責:Tsubasa)
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